今迄にも数々の失敗はあったけど、これはヘビー級だった。
エステサロンに置く小さな噴水、木工下地で表面はタイル張りの水盤でした。
ガラスのボールに沸き上がる水が上段のプールに溜まって、溢れた水が壁を伝って流れ落ちる。
流れ落ちた水をポンプで上のガラスボールに供給する循環の仕掛け。
まぁ造りとしてはそんなに難しくはないかなと高をくくって作ったのが始まりだった。
水の溜まる所と流れる所をステンレス板とシリコンで自分なりに防水処理をして、これなら大丈夫。
タイル職人さんにタイルを貼ってもらって試運転、異常なしを確認後納品した。
数日後、床に水がしみ出して来たと連絡が入り慌てて引き取りに向かう。
帰って来た水盤を調べてみると、水の溜まらないはずのエリアに水漏れの跡が・・・
これはタイルにあたって跳ねた小さな水滴が積り積ってと判断し、その対処をする。
再び水流実験、しばらくすると底から水滴がポトリ・・・ん?次はどこだ?
考えられる箇所を次々に点検修理、それでも止まらない。
よくよく見ると、最後に水が流れ落ちる部分の奥の壁、その天井部分が濡れてびしょびしょ。
そんなとこ防水して無いよー!
水をなめてはいけません、水は天井も伝ってながれますぞー。
もうこれ以上打つ手はない、思いきって防水のやり直し!
意を決してタイルを剥がす、今度はFRPで完全防水!もちろんあの天井も。
出角、入り角に防水テープを貼りガラスマットを樹脂で固めてトップコートを2度塗り。
念のため水の入らない所も一体成形、これでどうだー!
自信満々でタイル屋さんに・・・。
出来上がった水盤に最後の水をそそいでポンプのスイッチオン。
しばらく目をこらし、息を飲んで見つめていた。
やれやれ以上なし、今日はこのまま連続運転をしておくことにしよう。
ところがかれこれ1時間以上経ったころ、「あのー・・・」一人のスタッフが悲しそうな顔で、
「雫が落ちました・・・」エーーー!。
もうどこだか判らない一体どこから漏れてるんだ、雫の落ちた所に穴を空けて圧縮空気を送って見ると。
小さな泡がブクブクとあがった、ピンホールか!もうパンク修理と同じ状態。
偶然見つかったピンホールはここだけか?次から次へと見つかるピンホール、それから朝まで悪戦苦闘。
それにしても「水」というヤツはどんな小さな穴も見のがさない、小さければ小さい程仲間を連れて流れ出す。
もう水はイヤだとみんな泣きべそ状態。
そんなこと言わずにせっかく色々学習したんだから今度はプロとして胸を張って出来るよ・・・
と言ったももの・・・ちょっと怖い?。